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今、妊娠前より意識的に運動する妊婦さんが多数派!その理由とおすすめヨガポーズ3選
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妊娠中の運動については、多くの妊婦さんが最初に気にすることではないでしょうか。現在の研究では「妊娠中は運動が必要」とされていますが、お腹の赤ちゃんを心配するあまり、極端な運動不足になってしまう方も少なくありません。そこで今回は、妊娠と運動の関係性について詳しく解説。妊娠中に運動が必要となる理由や注意点、妊婦さんにおすすめのヨガポーズをご紹介します。
- コラムサマリ
-この記事のまとめ
1.妊婦に運動が必要な時期はいつ?初期から動いてもいい?
1-1.妊娠初期
1-2.妊娠中期(安定期)
1-3.妊娠後期
2.運動嫌いの妊婦さんも動いた方がいい!その理由とは
3.妊娠中に運動する際の注意点
4.妊娠中におすすめの運動5選
5.自宅でできる、安定期から行うヨガポーズ3選
5-1.不安やうつ気分を一掃!縮んだ脇腹をゆるめて呼吸を楽にするポーズ
5-2.股関節まわりを柔軟にしてお産をスムーズにする花輪のポーズ
5-3.妊娠中のつらい脚のむくみ解消に!三日月のポーズ
6.運動することで、ママも赤ちゃんも元気に出産を迎えよう
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妊婦に運動が必要な時期はいつ?初期から動いてもいい?
米国や日本の産婦人科学会は、妊婦の有酸素運動を推奨しています。個人的に禁忌のある方は除きますが、基本的には妊娠中に行う適切な運動は、「筋力の低下」および「体重管理」のために必要とされているのです。
妊娠期間はホルモンバランスの影響で、体だけではなく心も不安定になりやすい時期です。出産に対する不安や恐怖に苛まれたり、制限のかかる生活にイライラしたり、そんな変化が誰にでも起こります。しかし、気分が沈んだときこそ運動にトライ!適度な運動がストレスを解消し、前向きな心に導いてくれるでしょう。
妊娠初期
妊娠4~15週を指す、妊娠初期。流産や早産を懸念し、体を動かすことに慎重になる方も多い時期です。しかしながら、実際は母体の運動量が流産に影響することはほとんどなく、妊娠初期の流産は胎児の染色体異常が主な原因とされています。
ウォーキングや軽いスポーツなら一般的に問題ないといわれますが、心配な場合には主治医に相談しておくと安心。どの程度の運動が適しているか、確認しておくとよいでしょう。
妊娠中期(安定期)
妊娠16~27週を指す「妊娠中期」は、安定期といわれる時期です。体調が安定してくるこの時期には、医師や助産師に相談した上で軽い運動を行っていきましょう。流産を心配するあまり運動不足に陥ると、体重が増えすぎて妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病といった別のリスクを負うことも…。水泳やヨガ、エアロビクスなどの軽めの運動を体調に合わせて取り入れてみましょう。
妊娠後期
妊娠28週以降を指す「妊娠後期」。お腹がかなり大きくなるため運動どころか、日常生活の動作も大変な時期です。分娩時や出産後はかなりの体力を必要とするため、筋力が低下しないよう意識的に動いておきましょう。自宅で行えるヨガやストレッチ、軽い筋トレやマタニティエクササイズなどがおすすめです。
運動嫌いの妊婦さんも動いた方がいい!その理由とは
体型も変わり、ホルモンバランスも変わってくる妊娠時期。このように負担が多い時期に、なぜ運動が必要なのでしょうか?具体的には、以下のメリットが挙げられます。
体重管理
過度な体重増加は、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症などの発症リスクを高めます。発症した場合は通院管理や入院が必要になり、分娩時の負担が大きくなる場合もしばしば。これらを防ぐためにも、ウォーキングや水泳、軽いヨガなどをできる範囲で取り入れてみましょう。
気分転換
運動すると「セロトニン」という幸せホルモンが分泌されます。これによって自律神経のバランスが整えられると、妊娠中の気分の落ち込みはもちろん、産後うつの発症率までもが下がるといわれています。
肩こりや腰痛、便秘解消
胎児による圧迫やホルモンバランスの急激な変化によって、便秘になりやすい妊娠中。日ごろお通じがスムーズだった方でも、ひどい便秘に悩まされることがあります。適度な運動は腸の蠕動運動を促し、便秘解消に貢献。血行やリンパの流れもよくなるので、冷え性やむくみ改善も期待でき、肩こりや腰痛にも効果的なのです。
お産のときに必要な体力が養われる
妊娠中に体力をつけておかないと出産時にいきむ力が弱くなり、分娩時間が長引く可能性があります。効率よくいきむために必要となる筋力は、主に下半身の大きな筋肉です。ここを鍛えておくことは産後の体力回復にも役立ちます。
妊娠線予防
妊娠中は、胎児の成長とともにお腹が大きく膨らみます。皮膚がその膨らむスピードについていけないと、皮下組織が断裂してしまい妊娠線がくっきり刻まれるケースも。しっかり筋肉を鍛えておくと、“天然のガードル効果”で急なお腹のせり出しをある程度抑えてくれます。
妊娠中に運動する際の注意点
毎日適度な運動を続けようと頑張るのは良いことですが、お腹の張りが強く感じられるときは少しお休みをしましょう。一定のペースで続けることよりも、日々の自身の体調を観察し、その日の自分の状態に合わせていくことが重要です。
また、異常な量のおりものや出血があるなど、明らかに普段と様子が異なる場合は無理をせず、直ちに病院を受診しましょう。もちろん「切迫早産」「切迫流産」などの診断を受けていたり、医師から運動を禁止されている場合は安静を心がけ、運動再開についても医師の指示に従ってくださいね。
妊娠中におすすめの運動5選
妊娠中は、ゆるやかに体を動かすエクササイズがおすすめです。息を止めて踏ん張るような無酸素運動ではなく、酸素を取り込んで脂肪を燃やす有酸素運動が母体にも胎児にも良い影響を与えてくれます。
運動と流産に直接的な関係がないとはいえ、走ったり飛んだりする激しい運動や転倒の危険があるものは避けるのが賢明。おすすめは以下の5つの運動です。
- ウォーキング
- マタニティスイミング
- マタニティエアロビクス
- マタニティヨガ
- マタニティピラティス
ヨガやピラティスにトライする場合は、マタニティクラスを選択したほうが安心。通常クラスには妊娠中に避けたほうが良いポーズもあるため十分注意しましょう。ホットヨガやホットピラティスは脱水症状になりやすく、胎児の発育異常のリスクがあるため避けましょう。
自宅でできる、安定期から行うヨガポーズ3選
最後に、ヨガ講師である筆者が妊娠中(安定期以降)におすすめのヨガポーズをレクチャーします。心と体をリラックスさせて、のびのび取り組みましょう。ヨガ特有の深い呼吸は自律神経の調整にも役立ちますよ。
不安やうつ気分を一掃!縮んだ脇腹をゆるめて呼吸を楽にするポーズ
1.両足を軽く広げて立ち、両腕を大きく広げて手のひらを上に向けてバンザイします。晴れた空の光を全身に受け、その光が全身にいきわたるような気持ちで息を吸います。
2.吐く息で両手を腰に当てます。このとき、手の甲が腰側に当たるようにしましょう。
3.1~2を繰り返します。慣れてきたら2で腰に手を当てたとき、左手の甲を左足外側を滑らせるようにしながら、すねのあたりまで下げて側屈してみましょう。
4.右側も同様に行います。
青空を吸い込んで、黒雲を吐くような気持ちで繰り返しましょう。無理のない範囲で左右に体を傾けると、肋骨の間が伸びて呼吸が深まっていきます。
股関節まわりを柔軟にしてお産をスムーズにする花輪のポーズ
1.両足を腰幅よりやや広めに開いてしゃがみます。
2.胸の前で合掌し、両膝の内側と両肘で押し合いながら背骨を長く伸ばします。
3.体の中心軸に強い風を通して、内側を洗うような気持ちで呼吸を続けましょう。
肩をすくめずに内ももに力を入れて胸を引き上げ、腰を反らさないよう背骨を伸ばしましょう。腰痛改善に効果的なポーズです。
妊娠中のつらい脚のむくみ解消に!三日月のポーズ
1.四つん這いの姿勢から、右手の内側に右足を置きます。
2.右膝に両手を移して上体を起こします。
3.両手の甲を腰に当て、胸を開いて骨盤を立てた状態で呼吸します。
4.ゆっくりと両手を前について上体を倒し四つん這いに戻ります。
5.反対側も同様に行います。
脚のつけ根のリンパを刺激し、むくみを解消してくれるポーズです。余裕がある場合は、床についているほうの膝を後方にずらしてみましょう。より脚のつけ根の伸びが感じられますよ。
運動することで、ママも赤ちゃんも元気に出産を迎えよう
妊娠中は、じっとしているよりも適度な運動を行ったほうが胎児にも良い影響があります。産前に運動習慣があった方は継続を、これまで運動してこなかった方はこれを機会に運動をはじめましょう。まずはウォーキングなど身近なものからはじめて、慣れてきたら産院や自治体で開かれている妊婦向けの運動教室に参加してみるのもおすすめ!悩みや不安を語り合える仲間もできるため、より妊婦ライフを充実させられるはずですよ。
この記事の執筆協力
- 執筆者名
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坂 真由美
- 執筆者プロフィール
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大手保険会社営業職を経験後、心とからだの健康に興味を持ち、ヨガインストラクター/風水・占星術鑑定師に転身。現在は幅広い経験を活かしてフリーライターとしても活動中。枠にとらわれない生き方を実践するシングルマザー。
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