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新入社員必見! 自分に合った保険の優先順位とは
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社会人になって「モノを購入する際の認識」が変わったという方が多くいらっしゃいます。給与を、労働の対価として得る実感から、学生時代よりも慎重になるようです。また、親元を離れてひとり暮らしを始めた新社会人にとっては、家賃の支払いなどもあり、購入は慎重にならざるを得ないのが現実かもしれません。いずれにしても、お金の使い方から、社会人としての「責任」を痛感するのではないでしょうか。
社会人としての責任を果たし経済的に自立するためにも、お金や生活のリスクに備えることは大切です。どのようなリスクに対して、どのような備えができるのか、気になる保険選びを中心に、優先順位とともに考えてみましょう。
- コラムサマリ
★この記事は約5分で読めます。
・リスクに備える保険は「助け合いの精神」から成り立っている。
・知っていますか?新入社員になったら考えたい5つの保険の種類。
・「貯金が少ない」「将来の資産形成をしたい」ケース別に考える必要な保険とは。
ご加入にあたっては、必ず「重要事項説明書」をよくお読みください。
ご不明な点等がある場合には、保険代理店までお問い合わせください。
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■社会人になったら考えたい保険のこと
今後の長い人生において、思いがけない事態に遭遇し、責任を負うことも、相手に対して責任を問うこともあり得ます。いつ起こるのか、そもそも起こりうるのかどうか、予測のつかない日常生活のなかで、こうしたリスクに対して備える手段の1つが「保険」です。
「助け合いの精神」から成り立つ保険には、少しずつお金を出し合って大きな資金とし、困った事態になってしまった人に保険金を給付するという大きな役割があります。自分が被害者になったときにも、加害者となってしまったときにも、保険に加入することで助けられることがあるのです。十分な貯蓄がない若い世代だからこそ、保険によって将来のリスクに備えたいものです。
■新入社員必見!加入を検討したい主な保険
まずは、身の回りで起こりうるリスクについて、そして、どのような保険があるのか知ることから始めましょう。
●病気やケガに備える保険(医療保険やがん保険)
自分自身が病気やケガにより入院・手術が必要になったときに備える保険です。入院1日あたり5,000円などの入院給付金に加えて、特定の疾病での保障や先進医療など必要に応じて特約を付加することも可能です。また、がんに特化したがん保険もあります。
●住まい関連の保険(火災保険や家財保険)
火災で焼失してしまった場合の損害額は大きくなることが予測されるため、自己所有でも賃貸でも、住まいを守るために備える保険です。補償の対象は建物と家財に分かれ、それぞれもしくはセットで加入することができます。
賃貸住宅の場合は、建物部分は大家さんが備えるため、家財のみを保険の対象とします。火災の場合だけでなく、排水管の破損により水漏れが生じた場合や台風による強風で窓ガラスが割れた場合などの家具損傷でも補償されます。近年、自然災害による被害が多発していることから優先度が高まっています。
●他人に誤って損害を与えてしまった時に備える保険
日常生活における偶然の事故において、他人や他人の物に損害を生じさせてしまった場合の保険です。損害賠償責任に備えるもので、個人賠償責任保険や他の保険の特約とする商品があります。
●貯蓄性のある保険
死亡保障など保障商品でありながら貯蓄性を有するもの、保障性なく貯蓄を目的とした商品などがあります。
●病気やケガで働けない事態に備える保険(就業不能保険や所得補償保険)
病気やケガを要因として長期間働くことができない場合の収入を補償する保険です。生命保険会社が扱う就業不能保険や損保保険会社が扱う所得補償保険があり、期間や保険金額などに異なる点があります。
■どのような優先順位で検討すべき?
それぞれの価値観や環境により、なにを不安と捉えるかについては、人により異なります。起こりうるリスクとその場合の損害(損失)については、自分自身で判断し決めるべきですが、新入社員にとっては、リスクをイメージすること自体、難しいかもしれません。以下の検討材料を参考に考えてみてください。
●まだ貯金が少ない場合
・病気やケガに備える
遅かれ早かれ、起こりうるリスクとして備えておきたい保障です。給付金を受け取ることで、突然発生する費用負担を気にせず、安心して治療に専念することができます。また、加齢とともにリスク度があがるため、健康なうち、若いうちに加入しておくことをおすすめします。
・事故などで他人へ損害を与えた場合に備える
日常生活における事故が損害賠償まで発展する可能性は低いものの、裁判の判例などによれば、賠償金額が高額になることもしばしばです。普段から自転車に乗る方であれば、特に検討したい保険です。保険商品として申込むことも可能ですが、自動車保険や火災保険、傷害保険、自転車保険などに特約としてつけることが一般的です。
●将来に向け資産形成をしたい場合
・貯蓄性のある保険で備える
確定拠出年金(企業型もしくはiDeCo)などの利用にかかわらず、将来にむけた「貯蓄+α」の手段として、保険を組み入れることも選択肢となります。
為替リスクが生じる可能性や途中解約した場合のペナルティなど注意すべき点も多くありますが、毎月の口座振替により確実に積立てが実行されますので、なかなか貯蓄にお金を回せないという人には向いているかもしれません。医療保険のなかでも保険料が掛け捨てでなく、一定期間を経た後で払い込んだ保険料の一部が戻ってくる返戻型の商品などもあります。
●引越しをして、ひとり暮らしをしている場合
・火災などの災害や、他人への損害を与えた場合に備える
ひとり暮らしのため賃貸契約をしているとき、手続きの一環として火災保険への加入が含まれているケースもあります。この火災保険は補償範囲がさまざまで、特約のあるものもあり、確認が必要です。まずは家財の補償金額や地震補償、その他火災以外の補償(水災等)、個人賠償責任補償の要否もチェックして検討しましょう。
一般的には、借家人賠償責任補償がセットされた商品を勧められることが多いでしょう。部屋を借りた借家人は、借りた部屋を元の状態に戻して返還する原状回復義務があります。借家人賠償責任補償があれば、万一の火事や事故があっても補償を受けられますから、補償内容に問題ありません。しかし、自分自身で他社比較をして選ぶことができる場合もあります。
すでに火災保険に加入済みの場合、必要な補償が不足する場合には特約を付加することができる場合もあります。自分の加入している内容で、どんなときに補償されるのかをきちんと理解しておくことが大切です。
■まとめ
保険商品は種類も多く、取扱う保険会社もさまざまです。保険はよくわからない……という声が世代を問わず多いことも事実です。しかし、それぞれの世代やライフスタイルから、起こりうるリスクを考えたうえで、カバーできる補償はなにかという視点で探してみると、意外と見つけやすいものです。病気やケガ、賠償責任など、起こらなければなによりですが、対策をしないまま不安な日々を送ることは避けたいです。
「もしも」が起こった場合でも安心できる体制をつくり、経済的に自立した社会人となるためにも、新入社員のうちからリスクへの備えはしっかりと考えていきたいものです。
この記事の執筆協力
- 執筆者名
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大竹麻佐子
- 執筆者プロフィール
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証券会社、銀行、保険会社など金融機関での勤務を経て独立。相談·執筆·講師活動を展開。ひとりでも多くの人に、お金と向き合うことで、より豊かに自分らしく生きてほしい。ファイナンシャルプランナー(CFP©)ほか、相続診断士、整理収納アドバイザーとして、知識だけでない、さまざまな観点からのアドバイスとサポートが好評。2児の母。ゆめプランニング URL:https://fp-yumeplan.com/
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